それからしばらくは家の前に報道陣が待っていたり、近所を歩けばひそひそと噂話をされたり、学校でも陰口を叩かれたりと苦痛な日々を過ごした。あまり出歩かなくなって、笑顔も口数も減っていった。
父は私たちのことはどうでもよかったんだろうか。私も父のことを忘れてしまえばラクなのにと、何度思っただろう。
そんなときに聖さんが来てくれて、私は久しぶりに気分が高揚した。彼だけは裏切らないと、無条件で信じていたから。
外へ飛び出したらやっぱり記者がいて、怖かったけれど聖さんが助けてくれた。ところがその彼も、微笑みの奥にとても悲しげな色が見え隠れしている気がして、自分のことより心配になる。
私も好きだった聖さんのお母さんまでいなくなってしまったと聞き、自分と重ねて苦しさで一杯になった。
『じゃあ、一緒にいよう? 六花は、ずっとそばにいるよ』
ちっぽけな自分ではなんの力にもなれないかもしれない。それでも彼に寄り添いたかったし、私も一緒にいたかった。
初めて涙を滲ませた聖さんは、私を力強く抱きしめる。
『俺も……ずっとそばにいる。ずっと、六花を守るよ』
耳元で響くしっとりと濡れた声が、ガサガサに乾いて荒れた心に優しく沁み渡っていった。



