義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~


 それでも諦めきれず、目線を合わせてぎこちなく微笑む。


「六花、聖だよ。ひーくんって呼んで遊んでいただろ」
「ひー、くん……?」


 六花は首をかしげて思い出そうとしていたものの、混乱してきたのか困った顔をして俺と目を合わせてくれなくなった。

 本当に覚えていないのか……。ずっとそばにいると約束したのに。

 大きなショックを受け、肩を落とす。結局、お母さんのお友達の息子だと説明して、雪乃さんを交えて少し当たり障りのない話をするだけで終わった。

 成長したせいか以前の無邪気さや明るさは控えめになっていたし、緊張しているように敬語を使うし、まるで六花が知らない女の子になってしまったようでとても寂しかった。


 それ以来、六花に会いに行くのはやめた。今度会うときは、また一から新しい関係を築いていけるようになろうと、約三年間は勉強に専念した。

 再び六花と会い始めたのは、司法試験に合格した二十二歳のとき。

 試験が終わり、ひと息ついたタイミングで実家に帰ったら、父から『六花ちゃんが中学に入ったら勉強についていけなくなってきて悩んでいるらしい』という話を聞いたのだ。