義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~


 静かなリビングに上がらせてもらったところで、しゃがんで彼女と目を合わせる。


「大丈夫か、六花。突然来てごめん。お母さんは?」
「近くにちょっとだけ買い物に行ってくるって。誰か来ても開けちゃだめって言われてたんだけど、ひーくんだったから会いたくて」


 バツが悪そうにもじもじする姿がいじらしい。「そっか」と口元を緩めて頭を撫でると、彼女も笑顔を見せてくれたものの、徐々に表情が曇っていく。


「……あのね、お父さんいなくなっちゃったの。今みたいに知らない人がいっぱい来て、警察に連れてかれちゃった。お父さん、なにか悪いことしたの? もう会えないのかな」


 泣きそうになる彼女を見ると、俺の胸も痛くなる。

 菅屋さんは収賄の事実を認めているようだが、今は六花に罪を犯したのだと伝える勇気はない。実際、詳しい経緯はまだわからないし、裁判もこれからなので彼だけが悪いとは言い切れない。


「今、警察の人がお父さんからいろんな話を聞いているところだと思う。いつになるかはわからないけど、きっと帰ってくるよ」


 言葉を選んで笑みを向けると、六花は少しほっとしたような顔になり「うん」と頷いた。