てっきり元気がないかと思ったのだが、彼女の表情は驚きと喜びが交ざったように明るい。
「ひーくん!」
嬉しそうな声を上げてこちらに駆け寄ってくる六花と、俺は目線を合わせるように上体を屈める。門を開けて、彼女を抱き留めようとしたときだ。
突然、カメラとボイスレコーダーのようなものを持った記者らしき人間が数人集まってきた。
「菅屋元秘書の娘さんですね? 少しお話してもいいかな」
「家でのお父さんはどんな人?」
上辺の笑顔を貼りつけて、矢継ぎ早に質問してくる。六花は「えっ……」と戸惑いの声を漏らし、俺の手を握ってうろたえている。
こんなに小さな子にまで群がるのか。見境のない取材の仕方に怒りが込み上げ、俺の後ろに六花を隠して睨みつける。
「やめてください。怖がっているでしょう」
「話を聞くだけだよ。君に用はないから、ちょっと黙っててくれる?」
「こっちには報道の自由ってものがあるからね」
権利を履き違えて、さも自分たちが正当であるかのように主張してくるこの記者たちには虫唾が走る。
俺は憤りを必死に抑え、冷静さを保った声で毅然と言い放つ。



