しかし、悪いことは重なるものらしい。雪乃さんと話した翌日、俺の母が事故に遭って亡くなったのだ。
すぐに地元に帰って息を引き取った母と対面したが、顔には傷がついておらず眠っているようで、実際に遺体を見ても信じられなかった。
厳しいところもあったが、いつも俺の気持ちを汲み取って応援してくれる母だった。色眼鏡で見られて悩んでいたときも、父の会社は継がないと言って譲らなかったときも、一番の味方になってくれた。
これから親孝行をするつもりだったのに、こんなに突然いなくなるなんて。
実感がないまま葬儀を終えると、今度はずっと塞ぎ込んでいた父が心配になる。しばらく一緒に過ごして様子を窺い、彼がなんとか母の死を受け入れられるようになってきた頃に俺は東京へ戻った。
その足で向かったのは、ひとり暮らししているマンションではなく六花の家。俺自身はまだ抜け殻のような状態で、なにも考えず気がついたらそちらへ向かっていた。
収賄疑惑のゴタゴタで、なかなか訪れられなかった豪邸の門の前でインターホンを押す。しばらくして玄関のドアが開き、六花が姿を現した。



