義兄の純愛~初めての恋もカラダも、エリート弁護士に教えられました~


 彼女は苦しげに眉根を寄せ、俺を見つめて問う。


「先生は、どうしてそんなに彼女がいいんですか? なんの問題もない関係性の女を選べば、もっと心穏やかに生きられるのに」


 心穏やかに、か。そういう視点で考えたことはなかったな。法に触れさえしなければ、世間体や偏見はくだらないと思っていたから。

 デスクに向けていた身体を、しっかりと碓氷さんに向ける。


「私が求めているのは平穏ではなく、六花と生きていく未来なんです」


 はっきりと告げると、彼女は目を見張った。


「確かに、義兄妹の恋愛は一般的ではないでしょうし、あなたのように認められない人がいるのもわかります。ですが、私たちはなにも悪いことはしていないので、遠慮するつもりはありません」


 ぶれない思いを口にして、ふっとまつ毛を伏せる。


「というか……無理なんですよ、離れるのは。六花は俺の人生の一部なので」


 俺にとって彼女の存在がどれだけの意味を持っているのか、誰も、六花本人すらも知らない。人生の一部だなんて言うと呆れられそうだが、決して大袈裟ではないのだ。