「ストーカー行為罪、建造物侵入罪に傷害罪。罪を重ねるのはこの辺にしておきませんか」
「ふざけるな、お前ら……っ!」
「それと、昌さんと六花に謝罪してください。あなたは公然とふたりを傷つける発言をした。こちらは侮辱罪にあたります」
まだ否を認めない彼に、聖さんは厳しさが滲む口調でそう言った。私たちを罵ったことも忘れずにいてくれただけで、少し気持ちが救われる。
悔しそうに唇を噛んでいた室谷さんは、聖さんがスーツのポケットから取り出したなにかを見せられ瞠目する。
「こちらには証拠がありますから、言い逃れをしようだとか弁護士を立てて争うなどという愚かな考えはお捨てください。あなたが地に堕ちるだけですので」
彼が見せたのは、おそらくボイスレコーダーだろう。こんなものを隠し持っていたとは、さすが用意周到だ。
室谷さんが言葉を失ったとき、遠くからパトカーらしきサイレンの音が響いてきた。彼を押さえたまま、瀧さんが苦笑交じりに呟く。
「もうちょっと早ければなぁ」
「これでもすぐに呼びました」
続いて声を投げかけたのは碓氷さんだ。ポーカーフェイスだが、少し離れたところで藤宮さんとくっついている。いつの間にか、彼女が警察に連絡してくれていたらしい。



