「違う……違う、俺はストーカーなんかじゃ……。俺は悪くない。悪いのはそこにいる女だ!」
首を横に振った彼は、再び矛先を私に向けてくる。
「その女にそそのかされて、俺を嵌めようとしているんだろ。だからこんな事務所なんかに……。昌ちゃんをおかしくさせたのも、俺が犯罪者にさせられそうになっているのも、全部お前のせいだ!」
血走った目で敵意をむき出しにする彼に、私の中で恐怖よりも怒りが上回る。火が点いた導線は限界まで短くなっていた。
すべて人のせいにして、しかもアキちゃんを罵るような言葉ばかり口にする。友達としても、人としても許せない。
「アキちゃんのことが好きなら、これまでの発言は撤回してください」
弁護士先生たちが口を挟もうとする直前に言葉を発した私を、聖さんが心配そうな表情で少しだけ振り返った。室谷さんはぴくりと眉を動かす。
「なに?」
「男でも女でも、アキちゃんはアキちゃんです。否定するようなことばかり言わないでください。私の大事な友達を侮辱するのは許せません」
怒りで声も手も震える。アキちゃんはそんな私を見下ろし、「りっちゃん……」と呟いた。



