「…侑李、」
「なに?」
「もしミオを危険な目に遭わすなら、僕はたとえ相手が侑李だとしても手は抜かない。
どうにかしてでもお前を……藪島組なんかに寝返ったα9を潰すよ」
ピリッと、刃のような言葉が攻撃となって向かっていった。
いつもと違う声に、またその覚悟のようなものが覗いた気がして、ぞくっと背筋が際立つ。
「弟のひとり守れなかったおまえに何が守れるんだよ」
「…僕は、あれから変わった。変わってないのはお前だよ侑李」
「俺は…あのときも止めただろ、なのになんで学ばねーの」
さっちゃんの戸惑う反応を聞くことなく、吐き捨てるようにマンションのドアは少し強めに閉じられた。
声、ふるえてた…。
やっぱり何かを隠すように、あの人はまだ大事なものをさっちゃんに見せてない。
「…ミオ、なんで侑李といたの?」
だけどさっちゃんにとっての今の一番は、彼ではないらしい。
私に向いた矛先は怒ってはないけど…平常心でもないもので。
「…えっと、雨がすごくて…雨宿りしてたら……なんか鉢合わせて、」
「僕を呼べば良かったでしょ」



