だいぶ慣れてきたなー。
この帰り道も、マンションへの近道だって。
「なんか連れて来ちゃってるけど…さっちゃんびっくりするだろうなぁ」
「怯えて逃げるんじゃん?」
「そんなわけ!さっちゃんめちゃくちゃ強いんだからねっ!……あ、でも彼女さんとホテルだったそうだった」
「ふっ、自爆してるし」
「……うるせ」
高すぎる高層マンションも、広すぎるロビーも、ぐおーーんと上がってゆくエレベーターも。
あまり驚かない彼もまたお金持ちの息子さんなんだろうと。
そしてS.Roberのみんなと初めて会ったとき、名前しか教えられなかった意味も今になって分かった。
それはどの苗字もわりと有名どころだからだ。
蘭さんと秀平はまだ不明だけど、蘭さんは大手ゼネコン会社の幹部で。
そして颯は、大手お菓子メーカー“サキサカ”だということ。
「───ミオ!!」
「うわぁっ!」
そんなことを考えながらも玄関を開ければ、何者かの物体がすぐに飛び付いてきた。
ぎゅうっと抱きしめられて、いつもと変わらないシャンプーの匂いを吸い込んで、はじめてさっちゃんだと気づく。



