間抜けな私のおでこにパチンッとデコピンを食らわせると、乗られていた身体はそっと解放された。
びっくりした……。
めちゃくちゃ怒られるか、それともさっちゃんにしたみたいに殴られるかと。
「ほら、帰るよ」
「へ、」
「“へ”って、おまえ帰り道わかるの?」
……あ、わからない。
さっちゃんを追いかけてからの大人しくテクテクついてきたカラオケ店だから。
まだここら辺の場所は覚えてなくて。
「送ってくれるの?」
「どーせ皐月に匿ってもらって花ノ宮にまで通わせてもらってんでしょ。見ときたいし、あいつのアジト」
「……」
ぜんぶバレてる…。
でも私も断ろうとは思わなかった。
だってきっと、その場所を藪島組にチクったりしないだろうから、この人は。
「弱味ってやつは少しでも握っといた方が得だからさ」
そんな損得で動く人にも見えないんだけどなぁ…。
さっちゃんと関わりがあって悪くなる人の方が珍しいと思うし。
「…ピアス、」
「ん…?あぁこれね、…だいぶ使い古したな、これも」



