「───お、来た」
「……あ、」
さっちゃんが待っていたのはS.Roberのメンバーじゃなく、藪島組の誰かじゃなく。
それはそれは大人っぽくて美人で、それでいてスタイル抜群のモデルさんのような……いつかの女の人だった。
そう、さっちゃんの彼女兼婚約者。
「どこ行くんだろう、あの2人…」
「え、別にそこまでついて行かなくても大体わかるだろ」
「全然わかんない…微塵も想像できない想像したくない」
「それおまえが気になってるだけじゃん」
当たり前だ。
気になるよ、気になるに決まってる。
さっちゃんは彼女さんにボソボソなにかを伝えてるっぽいし、そしたら彼女さんはちょっと暴れ出してるし。
最終的にさっちゃんは彼女さんの腕を掴んでどこか場所を離れようとしてて。
「いたっ」
「え、なにが」
チクッと刺さりました。
今です今、手を繋ぐようなあの2人の背中を見ていた私の胸にチクッと。
「痛い痛いっ!なにこれ痛い……っ」
「は?別にどこも怪我して……あー、なるほどね」
「やばい……わたし死ぬかもしれない…」
「死なねーよアホ。てか行くよ、見失う」



