雨の音もあってか、本人は気づいていないようで傘を差しながらどこかへ向かってゆく。
その顔はすごく真面目な顔をしていたから。
……これ、追いかけた方がいいやつだよね?
うんうん、そうそう絶対そう。
「あっ、お前…!おい濡れるだろ…!」
「私さっちゃん追いかける…!あんたらのせいでこっちは常に狙われてる立場なんだから…!!」
「馬鹿!待てって…!!車も来てるから走ったら死ぬよ…!」
「死なないよっっ!!」
え、なにその過保護…。
めちゃくちゃ心配性じゃない…?
キミ五十嵐 侑李くんだよね?
まさかそんな言葉を贈られるとは思わなくて驚きに止められそうになったけど、今はさっちゃん優先っ!!
タタタタタッと駆けて、ようやく身に付いてくれた尾行力を発揮。
「……どこ行くんだろうさっちゃん」
「誰かと待ち合わせてんでしょ。あ、ほら止まった」
「…あの人かな、」
「あの人?」
うん、さっちゃんの彼女さんというか婚約者さん。
それか藪島組の人に呼び出されたのかもしれないし、さっちゃんっていつも穏やかで私たちに相談とか滅多にしないから。
普段なにしてるのか、まったく想像できなくて。



