まさか向かってくるなんて、詰め寄ってくるなんて。
コツンと合わせられたおでこ。
肩に手が回されるように、正面から少しだけ体重を預けてくる。
「は、離れたくない…」
「じゃあお父さんの方に行かない?」
「うん…。だって今日は面会に行って来ただけだから…」
「……」
ピクッと、さっちゃんの顔が一瞬だけ止まったような気が。
けれど持ち直すようにぐりぐりと、甘える子猫のようにすり寄ってきた。
ライトブラウンの髪と私の黒髪がふわっと合わさって。
「ミオ、これから僕と任務」
「へ?」
「いける?2人だよ」
唐突すぎる。
ここ玄関だし、なんか向き合って密着してるし、こんな落ち着かない空気感で任務が渡されることって中々ないよ。
「よし、準備して」
「えっ、あの、会えなくなるってのは、」
「そんなのあるわけないでしょ」
いつもの調子で軽く答えてくれた。
それだけですうっと嬉しさが湧き上がってくるんだからしょうがない。
「隊長!ちなみに2人だけの任務内容は…!」
「前に盗聴器を仕込んだ任務、覚えてる?あれの続き」
「……げ。あの変態おじさんっ!?隊長!出来れば辞退したいであります…!」
「大丈夫、僕がいるであります」
パシッと手が取られて、一緒にマンションを出た。



