ガタンゴトンガタンゴトンと電車に乗って、タタタタタッと駆けて。
ウィンと自動ドア、ういーーーんと登ってゆくエレベーター。
ガチャッ、バタンっ。
「……なんか…あっという間に帰って来ちゃったね」
そりゃあもう、ずっとさっちゃんの腕を掴んでたからね私が。
電車のときも走るときも、離すもんかって掴んでた。
「さっちゃん…!」
「ミオ?」
「…さっちゃん、」
もしかしたらあの、婚約者さん。
忘れた頃にやってくる彼女兼婚約者さんの存在をいま思い出した。
もしかして……え、結婚するとか…?
だからもう会えなかったりするのかなって、考えてしまうよね。
「……そんなの…いやすぎる、」
本日2回目の全く同じセリフ。
さっきと何も成長してないものが私から飛び出した。
けど、さっきと違うことは1つだけ。
きゅっとさっちゃんの袖を遠慮がちにもしっかり握って、ちょっとだけ身体を寄せちゃってる。
「会えなくなるの嫌だよっ!」
見上げて言い切った私に、驚いたように目をひらく顔。
「……僕と離れたくない?」
「わっ、」



