そんなふうに考えたくないのに、考えてしまう。
だって私に対する質問は「髪切った?」だけだった。
ただそれだけ。
「他に何か聞きたいことがあればお答えしますよ。伝言でもいいですし」
「…いえ、もう大丈夫です。ありがとうございました…」
帰ろう。
出たらまっすぐ帰ろう。
どうしてか、今すごくさっちゃんに会いたい。
さっちゃんの顔見て安心して、なんでもいいから他愛ない会話を交えたい。
「…でもこんな顔じゃ、帰れない」
留置場を出ると、地面に広がった昨夜の雨が水溜まりになっていた。
そこに反射する私の顔は……今にも泣きそうだ。
さっちゃん疲れてるだろうから、もう迷惑かけたくないし。
いつもの元気な私で、さっちゃんのことも元気付けてあげたいし。
「元気だせ澪っ!今日はお惣菜買っても許されるよっ」
一応はいつも自炊だったけど、今日くらいはお惣菜をお皿に盛り付けてもいいかもしれない。
さっちゃんにはごめんだけど……。
「───ミオ!!」
と、駅に向かってる途中。



