「髪…、切ったのか」
「…うん」
「男の子みたいだな…」
「…うん」
そりゃまあ、男として一応は窃盗団の一員で男子校にも通ってますから。
……っていう捕捉情報は言っては駄目だけど、それくらいの会話の広げ方をしないと厳しい。
私ってこんなにお父さんと話すの下手だったっけ…。
いいや違う。
久しぶりなんだ、久しぶりすぎて、聞きたいことがいっぱいあるから1周回って全然話せない。
「来てくれてありがとうな、…澪」
覚えててくれたんだ……私の名前。
なんて感動すら覚えてしまうここは、郊外にある留置場の面会場。
「美穂子(みほこ)とは…連絡取ったりしてるのか」
「…ううん、まったくだよ」
「そうか…」
美穂子とは、お母さんのこと。
蒸発して家を出ていったお母さんとは、それ以来ピタッと関わりは途絶えてしまって。
きっと何かしら伝いでお父さんが逮捕されてしまったことは知っているはずなのに、娘の私を気にかける連絡も一切ない。
というよりも、私も私でスマホを取られてからの新機種に変わっちゃったから。



