i -アイ-愛-

違う。


真翔は本当に私を愛してくれている。


常套手段なんかじゃない。


私と同じで、本当の愛を知らないから間違っちゃうだけだ。


【琥羽には分かんないよ。真翔は本当は優しい人なんだよ。今は危ない人だけど、私はまたいつか優しい真翔に戻ってくれると信じたい。それじゃダメかな?】


逃げたいと思ったこともある。


殴られているときはいつもそう思ってる。

 
でも、時折優しくしてもらえると、それだけですべて許してしまえるんだ。


【ダメだ。今すぐ真翔さんから逃げろ。あの男は絶対に改心なんてしない。俺にはわかる】


【でも…。逃げれない。真翔からは逃げれない】


【それは物理的に?精神的に?】


…昨日みたいにこっそり家を抜け出せば逃げることはできる。


けど、無理だ。


真翔はきっとどこまででも追いかけてくる。


それに私は…。


「真翔……」


優しかった真翔が戻ってくることをまだ諦めていない。