i -アイ-愛-

「誰が悪いのかって聞いてんだけど」


頭を掴まれ無理やり顔を上げさせられる。


怖い。


昼間まであんなに優しかったのに。


結局こうなっちゃうんだ。


今日一日楽しくて幸せだったぶん、現実という奈落の底に突き落とされたみたい…。


「痛いよ…っ」


「こうしないと分かんねぇじゃん、お前」


髪の毛がプチプチっと抜けて真翔の指に絡まる。


そして、汚らしいものに触ったように払い落とされた。


「…ごめんなさい。私が悪かった」


そう答えると、真翔は満足気に笑いお風呂場に姿を消した。


楽しかったのも一瞬のこと。


やっぱり真翔は私を道具としてしか見ていないんだ。


でも…。


今日1日で注いでくれた愛や優しさは簡単には忘れられない。


またあんなふうに愛してくれる時があるはず。


その時を信じて待つしかないよね。


私には真翔しかいないから―。