「いただきます」


一人で食べる食事は美味しい。


真翔の顔色伺いをしている普段は、味なんて感じない。


「…はぁ……」


私は…真翔がいなきゃ生きていけない。


だから余計にここから離れられない。


親に捨てられた私は、真翔以外に頼れる人がいない。


真翔と別れたら住む家すら失うことになる。


どれだけバイトを頑張っても、稼げるお金なんてたかが知れている。


結局真翔を頼るしかないんだ。


だから、どれだけ苦しくても真翔から離れられない。


真翔が私を捨てるまで、私は一生真翔の所有物だ。


―ガチャッ


「!?」


まだ食事中なのに、玄関の扉が開く音がした。


真翔が帰ってきた…。


どうしよう。


この食卓を見たらきっと真翔は怒る…。