目が覚めると、手に冷ややかな物体を感じた



カランカランカランッ



手から滑り落ちたソレは、真っ赤な水溜りへと飛び込んでいった



「ヒッ」



フローリングの床に倒れて動かないカレ



にわかに乾いている血の海と、血塗られた包丁



カレと言い争ったことを思い出す



カレの暴力に耐えきれず包丁を掴んだことも



「あ……」



私が殺した






私は人を殺した