「はあ~。またこの夢…」
目が覚め、溜息をつきながら制服に着替える。
もう、10年も前のことなのにいまだに彼が引っ越す日のあの時間を夢に見る。
通学鞄に目を向けると、色褪せ、所々すりきれたあのお守りが目に入った。
これを見るたび、10年の月日が経ったことを思い知らされる。
「はあ~」
もう一度溜息をつき、朝ご飯を食べるためリビングに向かった。