あの日の約束

水のかかる音は聞こえたが、冷たさはまったく感じなかった。
不思議に思い、目を開けると見慣れた姿が私の前に立っていた。
「ちょっとりく!何してるの!?大丈夫!?」
慌ててりっくんの隣に立ち、見上げるとりっくんは今までみたことのない恐ろしい顔で水をかけてきた女の子を睨みつけていた。
そのあまりの形相にめいもおののきながらりっくんのシャツの袖を引っ張った。
「もういいからりく!早く着替えないと風邪ひいちゃう!」
しかし、何度袖を引っ張ってもりっくんはびくともせず恐怖の表情を浮かべる女の子達に
「今度、同じようなことしたらただじゃおかないから」
と一言告げてやっと動き出した。