あの日の約束

「黒井君って大人っぽくてかっこいいよね」
「黒井、サッカーしようぜ」
昼休み。転校初日にも関わらず、りっくんは人気者になっていた。周りには常に人だかりができていて隣の席でも話しかけるチャンスなどなかった。
お昼は静かな場所で落ち着いて食べたいので昼休みが始まってすぐに教室を出た。屋上への階段を上り、ドアを開けると涼しい風が頬を撫で、爽やかな空気を胸いっぱいに吸い込んだ。