「久しぶりじゃなーい?」

私は、直感でこの人がシュウジの前の彼女だとわかった。

「あのさ…。調子悪いから皆から離れて休んでることぐらい、見てわからないか?邪魔してないで、連れのところに戻れよ」

いつも優しいシュウジとは思えぬ、冷たい言葉に驚いてしまう。

「だって、ああいう俺様タイプって、結構疲れるのよねぇ」

「何を言ってるんだか、馬鹿馬鹿しい。自分で決めた相手だろ」

こんなシュウジは見たことがない…。

沼田さんという女の人は、私を品定めするように見た。

「へえ…こういう女の子が趣味だとは知らなかったわ」

「あんたには全く関係ない」

「その子、ただの友達か従妹だったりして」

苛ついたようにシュウジは彼女から目をそらした。

沼田さんはクスクス笑い、

「図星でしょ、強がっちゃって。私ね、高山くんを捨てたこと、ちょっと後悔したのよね。そうは言っても、今の彼は俺様だから疲れるけど、ハイスペックだから別れたくはない。疲れたら癒してくれる人も欲しいのが本音なのね。ねえ、こっそりやり直さない?」