シュウジは、いつだって優しい。

それは、初めて会ったときから、今も変わらない。

デート…と言えるのかわからないけれど、二人で出掛けるときは、いつもさりげなく守ってくれるし、私が人混みが苦手なのを知っているから、

「郊外にも面白いところは結構あるんだよ」

と、色々なところを案内してくれた。

固く閉ざさしていた心が、彼の優しさでどんどん溶かされていくのを感じるのに、それでもまだ、過去に囚われている私がいる。