「っハルくん…ハルくん!ここにいるからぁ…助けて」


どうしようもできなくて、その場にうずくまって泣き喚く。


ハルくん…どこにいるの?

ごめんね。急に消えて。


だって、あんなお化けが飛び出してきたら正気じゃなくなっちゃったんだもん。



「誰か…誰か助けて!!」


ここの空気は冷たくて、薄着なわたしが寒気を起こすほどだった。


動いてもないから、さっきよりも寒気がすっごく感じる。


だめだめ。このままだと本当にわたし帰れなくなっちゃう…!



「っハルくん!!!!」


精一杯の声で叫ぶ。


すると。


「…も!……っ桃!」


ハルくんの甘い匂い。


すぐそこで感じて、今、わたしはハルくんに抱きしめられてるんだってことに気づいた。