「はぁ………アイツのこと！その紺とかいう奴となんで一緒に帰ったの？」


「だ、だって……楓くん居なかったし……いつもの隠れ待ち合わせ場所にも居なくて……紺くんが一緒に帰ろうって行ってくれたから……」


楓くんは私たちが付き合っているということについてあまり知られたくないらしく、学校ではほとんど一緒に居ない。


だから、お昼ご飯とか、下校とかも大体、隠れ待ち合わせ場所の空き教室で待っている。


「美雨、言ったよね………？今日は俺、部活があるから凛ちゃんと二人で帰るって。だから安心して部活に行ったのに………俺らの家の前でなんかアイツに抱き締められてるし、ちゃっかり連絡先交換してるし。」


とても長い言葉をスラスラと喋っていく楓くん。


「あ、言い訳なら一応聞いてあげる。」

言い訳って………

あれには本当に事情があったのに……！