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楓sibe




「明日から夏休みだからな。みんな怪我のないように過ごすこと。」


「いぇーい!夏・休・み!」


「明日から自由だー!」


そんな声がクラス中に聞こえた。


どうでもいいと思い、俺の彼女、美雨の方を見る。


ニコニコとしながら先生の話を聞いている。


…………………可愛い。


どんな姿でもやっぱり美雨は可愛いなんて当たり前か。


「なぁ、犬塚。次の土曜、海行かね?美雨ちゃん連れてきていいからさ。」

隣の席で仲のいい友達、浜坂 悠斗(はまさか ゆうと)がそう俺に話しかけた。

「人の彼女を気安く『ちゃん』で呼ぶな。気持ち悪い。」

「あーはいはい。そーでしたねー?楓くんは、彼女命でしたっけー?」

ちなみにコイツだけは同居していることを知っている。

コイツとは小学校からの付き合いだしまぁいいかなんて思って言ったのが間違いだったのか…………


「で、海、行こ~ぜ~」

行ったところで、なんのメリットがあるんだよ……


「はぁ。じゃあいいわ。犬塚が行かないなら美雨ちゃん誘うからね~」