「よし、できた!」


私、茅野 栞里(かやの しおり)。


たった今、甘いものが苦手な彼の為に甘さ控えめのチョコを作り終わったところ。


明日は、2月14日。


バレンタイン。


好きな人がいる私は、ずっと前から胸がドキドキ。


1度チョコを冷ますべく冷蔵庫に入れて、溜まっていた洗い物を済ませた。


そして、自分の部屋へと向かうと引き出しからこの前買った花柄の小さなレターセットを取り出した。


机の上に便箋を1枚置き、なにを書こうか悩んでしまう。


私の好きな人は、黒瀬 彗(くろせ けい)くん。


同い年で家も隣同士の幼馴染み。


通っている中学校も一緒で隣のクラス。


彼に片想いして約1年目の私。


“これからもよろしくね”


と毎年書いていることを書くか、それとも告白するべき‥‥‥?


頭の中でいろいろと考えた挙句、ペンを走らせた。