「お会計これでお願いします」 後ろから手が伸びてきて、トレーに千円札がポン、と置かれた。 「千円お預かりします」 え?と隣を見たら 「あ、迷惑だった…?」 幻かと思った。 だって、俺の大好きな子がそこにいたから。 「あず…なんで…」 「梓くん、スマホ見たままかたまってたし、 なんかポケットあさったりしてたから、 もしかしてお金忘れたのかと思って」 ……どうしてこの子は いつも、俺が困ってることに気付いて、助けてくれるんだろう。