梓くん、嘘、下手だ。 明らかに声色が違って、嘘ついてるんだってすぐわかる。 友達をやめると言った私に対しては いつも、他の女の子たちにする態度を見せても構わないはずなのに。 なのに、下手な嘘をついても、優しくいようとしてくれる。 梓くん…。 このまま電話で、言いたいこと言ってしまおうかと思ったけど、 空港内を歩いてる間に、 スーツケースを持って、電話をしている背の高い男性を見つけて。 私は思わず電話を切って、その人に向かって駆け出していた。