「うちのお母さんが後妻っていうか、本妻じゃないからね」
母には親がいない。
いないというか、物心ついたときから施設で暮らしていたらしい。高校を出てずっと水商売をしていた。
そこで出会ったのが今の父に当たる。
どうしてわたしが産まれたのか、そこまで聞けば中学生だったわたしにも分かった。母が生き抜いていくため。
幸い、母はわたしを産んで年のいった父は娘を甘やかしに来るので、二人で生きることはなくなった。本妻が三年前に亡くなったらしく、父は随分丸くなったと母が言っていた。
父は殆ど、わたしにとってお祖父ちゃんみたいなものだ。



