「決まった?」
「決まった」
「帰る?」
「……雨、強くなってない?」
「なってるね」
じゃあ飲み物も選ぶ、なんて、時間の経過をねらう。町川はさっきよりもずっと穏やかに、はいはい、なんて言った。こういうときのお兄ちゃんみたいな顔、ずるいと思うんだな。
むかついたから、カゴに無言で、手の中のスイーツを入れた。ささやかな抵抗のプレゼントってやつだ。
「でもさ、急用以外にコンビニで飲み物買うの、なんか負けた気しない?」
「わかる」
「だからコンビニ限定ドリンクを買うことにします」
「たとえば?」
「コーヒーとか?」
「飲めないじゃん」
「うん」
ばかだな、と、町川がわらう。でも町川は飲めるじゃん。



