「ごめんね、まだ先の事はわからないよね
入学したばかりだものね」
莉子さんが心配そうに謝ってくれる
「ですね、まずは自分の事も頑張らないとですね」
そうだ、自分の進路もしっかりしなきゃだ
2人は競技場の外で待っていた
同じように朝いたファンの人も待っているようだ
「出待ちっていうんですかね、いつもいるんですか?」
「いるわね、握手してくれるし、手紙とか渡す人もいるわよ
私の彼だって何回かはある」
「莉子さんはどんな気分なんですか?
目の当たりにみるじゃないですか」
「良かったね〜って(笑)
亮介くんとはやっぱり違うから少しでも嬉しいみたいよ」
「優しすぎるからな、亮介さんは……」
でも、優しい亮介さんが好きなのだから仕方ないか
メンバーが次々に出てきた
お疲れ様ですと声が飛び交う
暫く見ていたが亮介さんの笑顔を見てるとファンの人達にはヤキモチは妬かなかった
暫くして亮介さんは私のいる方に来てくれて……
「帰るか」
「うん、お疲れ様」
莉子さんと彼氏さんにも手を振って駅に向かう
「真由、送るよ」
「でも打ち上げあるんでしょ?」
「まだ時間あるし」
「じゃあ、月曜日の授業のテキストを亮介さん家に取りに行って私が持って帰っておけばいいんじゃない?」
「そうだね、飲み会が終わったら真由の家に帰ればいいんだ」
2人は決めて1度亮介さんのマンションに戻った
コーヒー貰うねとシャワー中の亮介さんに声をかけてリビングでくつろぐ



