「ねぇ、真由はスタンドのファンの子達と見るの?」

「いや、真由にはちょっとお願いがあって」

「ん?」

「前に話した車椅子の友達と一緒にいてくれないかな〜」

「うん、いいよ」

「よかった、真由ならそう言ってくれると思ってた

いつも友達がいるんだけど今日は来れないみたいで……

大体彼女とかは応援席と少し離れてることが多いかな」

「真由も最初は応援の席に入れなかったけど応援する気持ちは一緒だから今日はいいかなとは思ってたんだけどね」

「ありがとう」

「今までの元カノは見に来たことあるの?」

「いや、大学で付き合った子はあんまりサッカーに興味がある子はいなかったから真由が初めてだよ」

「大学ではってもっと前はあったんだね(笑)

今までの元カノさんは亮介さんの何を見てきたの?」

「さあ(笑)だから続かないのも理由の1つかな」

亮介さんは苦笑いをする

「真由なんてオペラグラスも持ってきたのに」

「すごいな、真由(笑)」

「スタンドから遠いもん」

2人は支度をして駅に向かった

「真由」

「何?」

「競技場に入る前に……その応援してくれてる人が待ってると思う」

なるほど……ファンの子か

「離れて歩けばいい?」

「いや、一緒に中に連れていくから何を言われても気にしないで欲しい」

「わかった(笑)真由も覚悟は出来てるよ」

別に今までだって亮介さんの彼女はいたことはファンの人達は知ってる訳で……

彼女は連れてきたことはないと亮介さんは言っていたけど前の真由みたいにこっそり見に来ていた元カノもきっといるはずだよ

別れた理由なんていちいち聞いてたら亮介さんの彼女は務まらない

過去は過去!