「あそこの時計、ずっと壊れてるよね」


「そうなの?初めて知った」


何度目かのやり取りに、違和感を感じたのか、彼の視線がこちらを向いたのが分かった。


「何年も通ってるのに、初めて何てことある?」


喉に何かがつまったように息がしずらくなる。視線が刺さる感覚は、いつになっても苦手だ。


「…視線上げるの、苦手だから」