どうやって、見返すんですか?


そう口にしようとした瞬間、私の手を取り走り出す咲先輩。


有り得ない状態に思考回路が追い付かない。


なに、これ?


いつもの私なら、咲先輩の行動に疑問を持つかも知れない__


でも、走っているからか息が苦しくて余計な事を考える余裕が無い。


ただ、咲先輩の手の平の温もりだけを感じていた。


肩で息をしながら走り続ける。


何も考えない、この時間を楽しいと感じてしまう。