これを溺愛だとは認めない!

「環さん。水飛んじゃった……」


わざとだよね。

そう聞きたいが、愛想笑いを浮かべてしまう自分。


「だ、大丈夫だよ」

「て、環さんに聞きたい事が有るんだけど……。言ったら失礼になっちゃうかなぁ……?」

「だ、大丈夫!」

「じゃあ、言うね!
環さんって、もう少しくらい見た目に気を使えないの?」


ズキン__

心が痛む。


眼鏡にひとつに束ねた黒髪。

地味過ぎる私。


それに対して、綺麗に巻かれた栗色の髪。

唇も指先まで綺麗。

それが、雅。