これを溺愛だとは認めない!

恐る恐る、教室に帰ると風先輩の周りには人集りが出来ている。


私は、ジーッと風先輩の手元を見つめた。


風先輩の手元にはスマホ。

ただ、それを誰かに見せている素振りは無い。


でも、まだ気を抜けずに体を強ばらしていると風先輩が私に気付いたみたいだ。


なんだか、渋い表情でこちらに向かって来る風先輩。


早い。足が早すぎる__


「たま!お前、何処に居たんだ?」


まるで居なくなった子供を親が探していたかのような、焦り具合の風先輩。