教室に入ると、中学時代学校が同じだった生徒が4割は居る。


私を知らない人しか居ない世界に行きたい__、なんて思いながら席に座った。


後は、存在感を消してHRが始まるのを待つ。


目立たないようにするはずだった。


「たま!!!」


なのに、突然教室に響き渡ったのは聞き覚えの有る声で……


窓からこちらを覗き込んでいるのは、さっきの訳分からない男の子。


「きゃぁぁぁ!!」
「風(ふう)先輩だぁ!」


案の定、訳分からない男の子を見て黄色い悲鳴を上げる女子生徒。