こういう時は関わらないのが一番。


「……」

「何、シカト?」


関わらないのが一番。


だけど、彼は私の肩を掴んだまま離そうとしない__


正直怖くて手の平が震えてしまうが、返事を返さなくてはいけない。


「すいません。
たまが何処に居るか、私は知りません……」

「え、?」

「猫。探しているんですよね……」


何故か、吹き出した男の子を見て首を傾げた。


しかし、整った顔。


形の良い瞳を縁どった長い睫毛。

スラッとした鼻。

パーツのバランスなんて、芸術品。


そう思った数秒後。形の良い唇から、発せられた言葉は理解出来ない物だった。