料亭から出ると、風先輩に近付く。


「こ、ここの料理高いですよ!」

「そ、そうか?
まあ、記念日だからいーじゃねえか!!」


記念日。

確かに記念日で、それを祝ってくれるのは嬉しいけど__



「そろそろ帰るか?」


自分でそう言っといて、寂しそうな顔をする風先輩は狡い。


「風先輩の家に行きたいです……」


放っておけなくなってしまう。


「え!俺ん家!?」

「あ、はい。大丈夫ですか?」

「だ、大丈夫に決まっている!」