「たま!!!」


窓からたまに向かって、名前を呼ぶ。


「きゃぁぁぁ!!」
「風先輩だぁ!」


黄色い声を上げる、3組の女子生徒達。


これを見たら、たまも俺の魅力に気がつくだろう。


顔を赤らめ、俺を見ているたまを想像するだけで凄え幸せだったのに……


「風先輩!なんか用事ですか?」


目の前にいる女はたまじゃない。

肝心のたまはこっちを見る素振りすらないから、落ち込んで来た。


「お前等に用事なんてねーよ。
そこどけよ!たまが見えなくなるだろーが!!」

「たまって何ですか?」


なんていうか、意地の悪い顔の女だな。


「お前には関係無い」

「もしかして。たまって、環さんの事ですか?」