「このぬいぐるみ……。アームで掴んで取る訳じゃないと思うよ?」


なんだよ。俺、今凄くかっこ悪い。

たまの欲しいモノすら手に入れられない自分に凹んで、イライラが止まらない。


「うるせえな!じゃあ、見本を見せろよ!」

「うん……」


無表情で100円をいれると、アームを操作し始めた咲。


ちょ、こいつどこ狙ってるんだよ。


と、思った瞬間アームの爪がぬいぐるみを押して取れてしまった。


「あ……。取れちゃった……」


のほほんとした顔でぬいぐるみを取り出すと、たまに渡す咲。