「探せよ!」

「いや、それだけじゃ分からないですよ……」


他に特徴なんて有ったっけ。


もう会えないかも知れない。そう考えただけで胸がギュッと締め付けられる感覚に捕らわれる。


呼吸が上手く出来ない感じ。


「なんだこれ?」

「へっ、どうしましたか?」

「なんでもねーよ。………あ!!」

「なんか、思い出しましたか?」

「その女、左手怪我してるはず!!
犬に噛まれたんだよ」

「あ、それなら、環ですね……。
同じクラスです……」


環。なんて、綺麗な響の苗字だろう__