これを溺愛だとは認めない!

まさか、自分がバイクに乗る日が来るだなんて思いもしなかった。


「じゃあ、行くぞ!」

「は、はい!!」


エンジン音がして、うっすらとガソリンの匂いが鼻先を刺激する。


流れる景色に、通り抜ける風。

なんだか、嫌な事を忘れてしまいそうな開放感__


凄く楽しいと感じていると、赤信号でバイクが止まった。


「怖くないか!?」


風先輩が気を使っている事が分かる。


「凄い気持ちいいです!!」

「良かった」