「本当に、風ってかっこいい〜」

「知ってる」

「性格悪いけど」


そう言って、怪しげな笑みを浮かべている女は1個上の先輩で俺の彼女。


正直、暇潰しで付き合った女__


「ねえ、風」

「なんだよ!」

「風って本気で私の事好き?」

「そういうの面倒臭いから、別れよう!」


追い掛けて来る女を振り払って教室を出た、俺の心を支配していたのは空虚感。


好き__


そんな気持ちは感じた事が無い。


女を選ぶ時は顔で選んで、アクセサリー感覚で連れ回す。

ただ、それだけ。