「いえ……。仲良く有りません……」


そう言った瞬間、桜貝のような環の唇が耳元に近付いて来て恐れていた言葉が発せられた。


「そうだよね。
風先輩、あんたの事からかってネタにする気だよ?」


そんな事くらい理解している。


私から離れると、さっきとは違う可愛らしい声と表情で言葉を発する雅。


「ねえ、環さん!!
風先輩が呼んでいるよ?一緒に行こうっ!!」

「わ、私。行きません……」

「えー。せっかく来てくれてるんだから!
一緒に行こうよ!」