これを溺愛だとは認めない!

しかし、祈りなど届きはしない。


笑顔を浮かべこちらに向かってくる、雅が一瞬睨んだ気がして恐怖を感じた。


山川雅。


彼女こそ私が一番の恐怖の対象。


その理由は。中学時代に率先して私に悪口を言っていたのは彼女だったから。


『ブス!!』

『目障り!!』

『気持ち悪い!!』


その言葉は本当の事だけど、心がズキズキと痛むんだ……。


私の席の前に立った、雅。


「環さんって、風先輩と仲良いの?」


何事も無かったかのように、喋り掛けて来るから戸惑ってしまう。


別にこの先、私に悪口を言わなくなるなら良いのだけど……、怖いと思う気持ちは変わらない。